人生100年の時代に何をリハビリの目標にするのか

現在75歳以上の高齢者は日本の人口の約15%だそうです。そのうち35%近くが介護認定を受けているようです。65%が要介護認定を受けずに生活をしているともとれます。以前記載したように、要介護認定を受けた高齢の方の生活スタイルは私が見てきただけでも多様です。75歳以上の方は、ほとんどが会社で仕事をしていないのではないかと思います。自営の方もいれば、畑をしている方もいるし、外出は散歩だけという人もいるでしょう。自宅での家事だけはは生涯続くことになるかと思います。一人住まい、夫婦だけの世帯も、家事については同じ条件です。

 

病気や障害でこれらのことができなくなった時には、生活の再構築のために何を目標にリハビリをしていけば良いのか。外出は車椅子やヘルパーを使えば、家事もヘルパーを利用すれば生活は再構築され、自宅で暮らすことは可能でしょう。しかし、片麻痺の障害を負った場合などを考えると、今まで行っていた家事や外出の自由の権利を他者に渡すことになります。この家事をやりたい…トイレには自分で行きたい。もちろんそういった希望があれば、目標とすれば良いと思います。ただ、家族やケアマネさんからこういう希望がありますというのは聞きますが、これがやりたいのだというものがない方もおられます。

 

家族の介護負担を減らす、苦痛を減らすというのは大事な目標です。生き生きした生活、自分らしい生活の目標を、重度の障害を負ってしまった方や老衰が進行してしまった方はどのように、どの方向をむいていけば良いのか迷ってしまいます。

 

苦痛を防ぎ、穏やかな生活のためのリハビリ。人生においては必要なことだと思います。今後国が求める介護予防とは少し方向性が異なっている気がします。今後効果判定が求められれば、変わらないことが効果がでていることになるのでしょうか。将来、このような目標とするリハビリは、介護保険から切り離される運命かもしれません。